横浜ストロングスタイルベイスターズを改革した僕が、その後スポーツ界で経験した2年半のすべて (文春e-book)

ホリエモンが推薦文を書いている本にまちがいはない！そう思って手にとったが、間違いはなかった。ものすごい本だった。池田純さんは、皆さんご承知の通り、ずっと閑古鳥が鳴いていた横浜スタジアムを満員にして、業績をV字回復させた、横浜DeNAベイスターズの初代球団社長だ。彼はベイスターズを離れたあと（球団社長を退任する時に、ベイスターズから受けた仕打ちのことが書いてあって、それはそれで憤慨したのだが）、２年半ものあいだ、日本ラグビー協会だったり、明治大学だったり、スポーツ庁だったりと関わりを持ち、彼らの変革を求める声に応える形で仕事をしていた。ところが、池田さんは、すべての団体との関わりを、結果的に断つことになる。それは、「変わりたい」「一緒に変えてください」と言われて本気で変革に取り組もうとした途端に「変わりたくない」人たち、既得権益を守りたい人たちが出てきて、さまざま陰湿な嫌がらせを受けるようになり、結局は何もできない状況に追い込まれたからだった。もちろん、これは池田さんの主観といえばいえるかもしれない。各団体にはそれぞれのの主張もあるだろう。でも、この本に書かれているファクトは正直、漫画でも書けないような出来事だらけだった。きわめつけなのが、自家用車につけられたGPS発信機の話。誰がつけたかは正直わからないけれど、池田さんが向き合っていた人たちが、なりふり構わず池田さんを排除しようとしていたことが伺えるエピソードだ。そういった、ノンフィクションとしての面白さの一方で、池田さんは、プロの経営者としてこれまで戦い、結果を出してきた、そのノウハウを惜しげもなくこの本に散りばめている。第一級のビジネス書としても読めるので、二度おいしい、といえる。池田さんは、自分のことをファイターだ、と書いている。確かにファイターでなければストロングスタイルはとれない。そして今、新しい挑戦をさいたま市ではじめている。同じストロングスタイルのホリエモンが推薦していることもよくわかる。読後、池田さんのストロングスタイルに喝采を送りつつ、自分もこれからはストロングスタイルで行きたいな、と素直に思えた。是非みなさんにも、手にとってほしい一冊だ。